「パラノーマン ブライス・ホローの謎」:TOHOシネマズ みゆき座にて

アメリカアニメにしては珍しい

「パラノーマン ブライス・ホローの謎」:評価90

監督:サム・フェル 出演:コディ・スミット=マクフィー、アナ・ケンドリックetc

 

 予告編見ると、ギャグにしか見えない言い回しで、キャストも地味、こんなのがアカデミー賞アニメーション部門にノミネートされているなんてアメリカ映画も終焉だなと思って観たら逆転サヨナラホームランレベルのおもしろさでした。

 おそらく、この作品が大コケな理由はマーケティングミスだろう。これは子供向けというよりかは映画好き向けである。「パラノーマン」冒頭5分のグラインドハウス映画張りのB級感溢れる劇中劇をうまく生かした、「マチェーテ」のような予告編ならもう少し集客できただろう。

 さて、本題だがこの作品はアメリカのアニメしては珍しくヴァイオレンス描写が激しい。しかもパラノーマン少年が観ているホラー映画のタイトルも子供向けではない。そして、ゾンビと戦う描写にコマ数を変化させたり、背景の色を荒い赤を使うテクニックを用いることでわざとB級感を醸し出していて、B級映画好きにはたまらない代物になっている。

 また意外性も想像以上に多く、冒頭10分でまずびっくり。ゾンビの正体にびっくり。そして、ボス戦の戦闘シーンのヴィジュアルにびっくりさせられる。

 久しぶりにアニメで驚かされ、調べてみたら「コララインとボタンの魔女」を制作したライカ・エンターテイメントが制作したんですね。「コラライン~」もダークファンタジーとしてのヴィジュアルはすごかった。今回はそのテクニカルなヴィジュアルに笑いと意外性あるストーリーが加わって大満足の作品になっていました。

 それにしても、今年のアカデミー賞アニメ部門のクオリティが高い。賞を獲った「メリダとおそろしの森」は未見だから何ともいえないが、「シュガーラッシュ」も「フランケンウィニー」も愛情がこもっていて非常に面白かった。アメリカのコメディもなかなか捨てたもんじゃないと思わせられた日でした。