「ヒッチコック」:TOHOシネマズ シャンテにて

喜劇 ヒッチコック劇場

「ヒッチコック」:評価45

HITCHCOCK

監督:サーシャ・カヴァシ 出演:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレンetc 

 

 偉大な人の自伝を映画化するときに問題となるのは、どの部分を切り取るかである。90~150分の間にいかに要点を絞って描くのかが重要視されるが、下手に端折ると文芸もの同様、ファンから苦情が出てしまう

 この作品は要点絞りの点で大惨事に至ってしまった。まず、あの偉大なヒッチコック監督の自伝映画と語っておきながら「サイコ」の制作秘話しか描いていないのだ。それもそのはず。ベースとなった本が「アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ」という「サイコ」にフォーカスを当てた代物だったからだ。当然、ヒッチコックファンにしてみれば観る前から不満が募るだろう。そして中身を観るとがっかりする。あんなに凄い映画を作るヒッチコックが、デブの陰キャラだったことに。そしてフォーカスは妻アルマやジャネット・リーにも均等にあてられ、ブレブレの演出なのだ。

 しかし、ヒッチコックに思い入れのある監督だからファン向けのオマージュはしっかりと決めていた。冒頭とエンディングで観客を笑わせることで被害を減らしていた。

 とはいえ、ここまでヒッチコックを狂気に描くともはや喜劇である。確かに、周りの人物の支えや戦いがあってこそできた傑作「サイコ」であるが、重点を絞って欲しかった。