「チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット」:新宿武蔵野館にて

チキンジハード!!!!!

「チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット」:評価90

監督:ロイド・カウフマン 出演:ジェイソン・ヤチャニン、ケイト・グラハムetc

 

 ロジャー・コーマンの知名度に圧されて、日本では陰日向にいるがNo借金でB級映画を撮り続けるロイド・カウフマンのビデオスルーになりかけた作品がなんと武蔵野館で公開されると訊いて意気揚々と観に行った。

 前に観た「悪魔の毒々モンスター」が2000年代後半(スパイダーマンやハルクなど2000年代前半のアメコミものは子供だましなぐらい陳腐だった。新・バッドマンシリーズあたりから内容が深くなったが、多くは陳腐だ!)のアメコミ映画をしのぐエキサイトな作品だったので期待が高まった。

 そして、今回も期待を裏切らなかった!!!

 「チキン・オブ・ザ・デッド」は巨大チェーン店に対する批判を「サウス・パーク」張り(サウス・パークを制作しているトレイ・パーカーはカウフマンの撮影所トロマ社にいたことがある)にヴァイオレンスなギャグで描ききっている。先住民の墓を壊してK○Cのようなチェーン店が建設。市民のデモをよそに開店してしまう。そして、マネージャーや社長が上手いこと市民をマインドコントロールしてそのチェーン店の虜にさせるが、うっかり毒々卵を使ったメニューを客に提供したことから市民がドンドン、チキンゾンビ化してしまう。ゾンビ化した市民を救えるのは、腰抜けめがねとレズビアン、アラブ系従業員他数名だ。彼らは唄って踊ってゾンビ討伐に向かうってミュージカルかい!って作品である。

 一見するとヴァイオレンスと下品を極めた極道鬼畜な作品なのだが、作中に込められたフランチャイズの恐ろしさと人種差別問題を深く切り込んでいるので、中身も意外とキチンとしているのだ。そう、これは「サウス・パーク」の実写版だ。そして、ゾンビ映画なのにミュージカル映画。世界初の南部系チキンゾンビの出演など、マンネリ化を極めつつあるジャンル「ゾンビ映画」に新風を巻き起こしたと言えよう。

 NO 借金、NO  CG、著名人を使わなくても良質な作品を作れることを証明し続けるカウフマン監督は素晴らしいと思いました。これからも反骨精神を貫き通してもらいたい。