「グランド・マスター」:試写会 GAGA東京本社にて

イップ・マンが知らず知らずのうちに...

「グランド・マスター」:評価60点

監督:ウォン・カーウァイ 出演:トニー・レオン、チャン・ツィイーetc

 

 「アベンジャーズ」もそうだが、この手の「ヒーロー祭り」ものは、キャラクターを如何にバランスよく描くかが肝である。最近流行のブルース・リーの師匠「葉問」に主軸を置くのか、復讐に燃える強き女闘士「宮若梅」に主軸を置くのか、またまたマニアックに「カミソリ」と呼ばれるニヒルな戦士に主軸を置くのか考えただけでも大変だ。

 そして監督は苦肉の策として前半は葉門中心に描き、後半は「宮若梅」が宿敵「カミソリ」に挑む様子を描くことでバランスを図ろうとしていた。

 しかし、どうもちぐはぐ感がぬぐえない。「イップ・マン 序章」のように日本軍の迫害を受け苦しい生活を強いれながらも心の闇に埋もれることなく生きていく格好良さが描かれていないためか、ただの流派同士の抗争にしか見えなかった。

 とはいえ、アクションは「マトリックス」を思わせる程の美しさを誇る。「マトリックス」はただ敵を無双しているだけだが、「グランド・マスター」のアクションは流石カンフーの達人をテーマにしているだけあってダンスのようだ。しかも、葉門のアクションコマンドは3種類しかないから驚きだ。基本を制したものが応用も制すとはこのことなんだなと感じた。このアクションを観るために金を払う価値は十分ある。そして、この映画をこれから観ようと思っている方は、是非とも「イップ・マン/序章」「イップ・マン/葉問」を観ることをオススメする。こちらを観ておけば、「宮若梅」の話に集中できることでしょう。