「ホワイトハウス・ダウン」:イオンシネマ石巻にて

大改造!!劇的ビフォーアフター~ホワイト・ハウス編~

「ホワイトハウス・ダウン」:評価90

監督:ローランド・エメリッヒ 出演:チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックスetc

 

 まさか、ここまで熱かったとは知るよしもなかった。いつも通り、おっちゃんが頑張る系アクションだと思っていた。しかし、監督は破壊の「匠」エメリッヒ様だ。マヤ文明のオカルトを信じて勝手に人類を滅ぼした「2012」もよくよく凝視して観ると、ノアの箱舟をアジアの労働者に作らせときながら、乗らせない資本主義の闇も描いていた。ただビフォーアフターで破壊し尽くすのでなく、ストーリーにも「匠」の業を魅せていた。

 なんたって、大統領映画と言えば「エアフォースワン」や「エンド・オブ・ホワイトハウス」のように大統領は白人と決まっている。しかし、時はオバマ大統領が政権を握っている時代。映画界もそろそろアフリカ系アメリカ人を大統領にしてはどうだと、ついに戦う大統領が黒人になったのである。これは私の知る限り、映画史に残る偉業だ。オバマ大統領がアメリカ史上初めてアフリカ系アメリカ人大統領になった偉業を映画界でも成し遂げたのだ。恐るべしエメリッヒ。しかも大統領役がジェイミー・フォックスとナイスすぎる。フォレスト・ウィテカーやデンゼル・ワシントンじゃなく、きちんとオバマとスタイルが似ている人を配役させている。

 さて、ストーリーはというとぶっちゃけプロパガンダ映画だ。オバマ政権は凄いんだぞと言わんばかりのプロパガンダだ。ブッシュ時代のすぐキレて軍を中東に送り込む政治を叩き、大統領も勇敢に戦わせ英雄化させているところが露骨である。先の見えない時代において、こういう映画が必要とされているのかと思うほど徹底的にブッシュ政権を叩いて、現政権を擁護していた。そのプロパガンダ色を、エンドロールにイギリスのバンド「ローリング・ストーンズ」の曲を起用することで、愛国心で熱くなりすぎたのを冷まさせる。上手いカモフラージュを使っていた。これはテクニカルな技だ。

 このように今の政権が凄いんだぞとアピールしまくる映画なのだが、同時に硬性憲法の闇もえぐり出しているのが肝だ。硬性憲法とは、ちゃんといちいち議会を通して決定しないといけない悪く言えば融通の利かない憲法である。アメリカ合衆国憲法は硬性なため、弊害を引き起こしまくり大惨事となる。まず、大統領がホワイトハウス内でテロリストの襲撃に遭い、消息不明になる。作戦本部はホワイトハウス直属の警備員とFBIとエアフォースワンに乗る副大統領一味で論争となる。アメリカは州ごとに決まりが違う国だけに、この3つのグループ内でも抗争が起きる。法律と法律をぶつけ合い、自分の正当さを訴える。各グループの論はきちんと法に基づいているため、平行線となる。事態は困難を刻々と窮めているから、しょうがなしに各部門まとまりがないけれども苦し紛れに戦略を実行していく。そんなさなか、超大事な法律は大統領の承認がないと発動できないという弊害が発生。しかし、大統領がいない。どうしよう。このジレンマ描写がアクション映画としては繊細に描かれていたので、ばかばかしいど派手なアクションを楽しみながら、頭も使う。いかにして、作戦本部はテロを制圧していくのかといった描写も楽しめるようにする政治ドラマ的要素を「匠」は仕込んでいたのだこんな精巧に物語を組んでいただけに、ラストの展開の良さだけはおきまりで、雑さはあったもののこんなに熱くなったワイルドアクション映画は初めてだ。大統領も彼を守るおっちゃんも格好良すぎるし、敵も個性派揃いだ。いざ、このような大惨事に陥ったときに大切なのは知識はあるがお役所のように融通の利かない行動よりも、アクションが大事だ。大統領の臨機応変さにオバマ大統領の偉大さを垣間見させる。これこそがエメリッヒがこなす完璧なホワイトハウス・ダウンと言えよう

コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    かずえママ (月曜日, 19 8月 2013 08:28)

    なかなかのコメント、大変参考になりました。確かにジェイミー・フォックス起用したのはやはり、監督の才だと思いますね。最初はわくわく手に汗握るのに後半は通常のプロパガンダ映画になってしまったのはママが今一番お気に入りのチャニング・ティタムが好演してるのに残念。

  • #2

    ogłoszenia erotyczne (金曜日, 17 11月 2017 23:36)

    wt

  • #3

    tarot wróżba (金曜日, 17 11月 2017 23:47)

    nieujedzonej