自動車教習所日記~13日目~

ガッツだぜ!!(ウルフルズ)

 こんな夢をみた。夕闇に恍惚と光る大地。中央線が引かれたロードに俺は待機している。ここはレース場だ。モトクロス・サーキットのようなスタジアムに俺はいた。しかし乗ってるのはバイクでもスポーツカーでもない。ダンボール戦車だ。百戦錬磨の実力があるのか、それともタダの雑魚なのか俺の乗るダンボール戦車に相当の貫禄がついている。というよりもボロいと言ったほうがよいのだろうか。とはいえ、サーキット内にいるからにはこれからレースが行われるのだろう。大パネルでは実況の男が前のレースの解説をしている。マリオカート64のクッパ城を彷彿とさせるステージだ。かなりの険しい道のりに俺は煩悶する。しかし夢ではダンボール戦車が俺を走らせる。俺はアクセルである私の足をふかせる。赤から黄色になる。時間が遅く感じる。汗のしたたりも凝視できるほどに。青になった。俺は走る。「ラン、フォレスト、ラン」と誰かが叫んだような気がした。第一関門。坂ダッシュだ。陸上部時代唯一行った合宿では、1kmもある坂を走らされた険しく過酷な坂を俺は重力に逆らいながら登った。その経験が活かされ速かった、速かった。しかし現実は甘かった勢い余って空を舞った。俺のシナリオにはない光景である。落ち着け俺。乗っているのはダンボール戦車だ。あくまでも戦車だから、ランチャーが撃てるはずである。俺は天空から眼下へと大砲の標準を合わせる。マリオカートでトゲトゲの甲羅(1位の人を吹き飛ばす甲羅、ほぼ回避不能)を集団で激戦繰り広げている時に発射するのと同じ両々で、刹那に待つ。そして打ち込む。目の前は焼け野原になる。その炎の中から俺は悪魔の如く降臨する。かなり高いところから落下したから足を痛めるが敵は全員殲滅された。あとはゆっくりとゴールへ向かうだけ。じりりん、じりりんとタイムアップの音が鳴る。そんなバカな、まだ時間はあるはずだと思ったが目の前が真っ白になっていって...俺は病院のベッド、いやホテルのベッドに横たわっていた。足が極度の筋肉痛で悲鳴をあげる。しかし、俺はブログを書かねばならない。昨日、SNSで約束したとおり「ホワイトハウス・ダウン」の感想を書かねばならない。俺は錆び付いた体の錆をぐしゃりぐしゃり、バキバキと破りながら起き上がり、マイパソコンへと行脚したのだった。なんだか、最近妙な夢ばかりみている。鮮明に記憶していることからかなりシュールな夢とみえる。夏目漱石の「夢十夜」ほどではないが。

 さて、俺のダイハードな一日が始まった。運転2時間、学科2時間、救護実習3時間、シミュレーション1時間。計400分、「風と共に去りぬ」と「大脱走」が観られてしまうほどの時間授業を受けねばならないのだ。夜帰宅した時には、運転したのが昨日のように思えるほど気が遠くなるようなボスラッシュが俺を待ち受けていた。

 さて、今日の運転は二人一組で行われる。まず最初の1時間は教官だけがプリウスを動かし、課題のルートを巡る。狭路且つ人通りが多い且つトラックが引っ越しのため駐車しているという無理難題が待ち受けた。俺はあきらめて、このセクションを友達に任せることにした。そして後悔した。俺が運転実習で走ったコースは平坦かつ難所が交差点しかないのだ。その交差点も落ち着いて最後までとどまるつもりで行けば万事OKなところだったのだ。おまけに謎の渋滞が発生していて、時速60kmまでとばしたい俺に取っては退屈だった。それ故に、この時間互いに運転の長所欠点を探す授業があったのだが俺は交差点の曲がり方しか指摘されず、というよりも指摘できる箇所がなく、もう少し練習したいなと思った。

 さあ、午後が大変である。学科地獄である。「ガッツだぜ!!」で乗り切らねばならぬ。と思いきや救護実習だ。結構楽な学科である。そして、ゲイゲイしい教習生活に光が差す。受付嬢以外の女子と久しぶりに会話したのだ。とは言え、応急処置のペアが一緒になり阿吽の呼吸を合わせるための会話だったが。ボーイズトークは2Dの世界でしか話が進まないので、2週間も同棲していると飽きてくる。妹と一緒に育った俺は、ガールズトークのような支離滅裂だが多角的に進む雑談の方が実は好きなのである。無論、アンチボーイズトークではない。オタクなトークは男同士でするものだ。そういえば、人なつっこい教官が俺の映画好きを知って、あだ名で呼ぶようになった。運転教習中に、「桐島、部活やめるってよ」の話で盛り上がる。あの映画は物語構成が上手いのだが、オタクな手法を用いているため、教官は「何故、最後まで『桐島』は出てこなかったのか?」と訪ねてきた。俺は「これは、マクガフィンと言って重要な事をちらつかせながら最後まで正体を明かさないヒッチコックが開発した手法です。原作者の朝井リョウも映画好きで、原作でもこの手法を使っていることからヒッチコックのオマージュとしておそらく用いられています。」と答える。やはり、私の高校時代にこの映画を観た人の何名かが面白さが分からないと苦言を呈していたが、これは俺が映画道を歩み始めて間もない頃に観た「台風クラブ」の面白さが当時全く分からなかったことと同義であることを気づかされた。今観たらメッチャ面白いんだろうな「台風クラブ」。中二病の破壊的勢いと台風を掛け合わせるなんてナイスじゃねえか。この頃、また挑戦してみたい映画が増えてきた。アンジェイ・ワイダの「灰とダイヤモンド」、イングマール・ベルイマンの「野いちご」、ヴィム・ヴェンダースの「ベルリン・天使の詩」などがある。

 さて、話はずれたが俺は応急救護用マネキンに興奮する。「オー・マイキー」というマネキン劇に嵌まっていたからであろう。使い古されボロボロになった、なんとかチオン(♀/40歳ぐらい)。同じく40歳ぐらいの♂、ジャミ(ジャミロクワイではない)。そして赤ちゃんであるジャミⅡ。この赤ちゃんの名前の雑さに爆笑する。せめて2世にしとけばいいのに、これじゃあロボット、アンドロイド、人造人間丸出しじゃん。そして、その赤ちゃんの救護実習が楽しかった。赤ちゃんの喉詰まりを取るために片膝で立ち、赤ちゃんを膝にうつ伏せで乗せ、右指で顔を強制的に上げさせ、右手で叩くのだ。木魚みたいにぽくぽくと音がなる。何故か興奮した。

 さて、ボロボロになりながら迎えるシミュレーション実習。明日は高速道路に乗るため、練習だ。意外と難しいらしく、トップバッターが衝突事故を起こしライフが一つ減ってた。俺のターンが来る。確かに、ハンドル操作がムズい。プリウスの独特なギアに慣れてしまっている俺には、レバーは困惑要素の一つに入る。そして、問題が横風である。この車は紙で出来ているのかと思うほど横に流される。危うく轢かれるところだった。なんか車を追い抜くことに快感を抱く。恐らく陸上部の魂が健在に残っていたからであろう、明日は気を鎮めて乗るとしよう。

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コメント: 3
  • #1

    こまってぃ (水曜日, 21 8月 2013 13:01)

    オーマイキー久しぶりに見たくなってしまいました。Jamiroquaiの話もできそうな予感がしています。

  • #2

    チェ・ブンブン (水曜日, 21 8月 2013 21:34)

    おっつ「オーマイキー」を知っているのか!
    高校時代、話せる人がいなかったんだよねー
    マネキンと声のマッチ具合がシュールで嵌まったw
    僕は一番「マイキーのお買い物」が好きだな(^_^)
    ジャミロクワイは、「バス男」と言う映画のラストで冴えない高校生が「Canned Heat」をBGMに踊るシーンが格好良くて嵌まったぜ(俗に言うださ格好いいってやつ)。

  • #3

    こまってぃ (金曜日, 23 8月 2013 12:23)

    私、チェ・ブンブンのセンスを過剰なくらい信用しているので、「バス男」観ます。「サイタマノラッパー」も近くのゲオになく観れていなかったのですが、TSUTAYAが近所に新しくできたので、バス男と一緒に借りてこようと思います。