「わたしはロランス」:シネマカリテにて

ManがWomanになる...Anyway! Il(Elle) est Laurence.

「わたしはロランス」:評価90

監督:グザビエ・ドラン 出演:メルビル・プポー、スザンヌ・クレマンetc

 

 「性同一性障害」ときくとどう思うか?今となっては、日本のお茶の間に「おねえ系タレント」が出演して暴れているだけに、「面白い人」というイメージがついていることでしょう。しかし、時は1989~1999年。惜しくもパソコンが普及するか否かの時代。現代はインターネットを介して世の中のあらゆる情報が行き来するため、ニッチな人も立ち位置を比較的容易に見つけ出すことができる。しかし、戦後~パソコンが普及する直前まではポストモダンという運動こそあれど、植民地時代の異文化を見下すコロニアズムな心理状況を抜け出せずにいた。

 そんな時代を舞台に、突如自分が性同一性障害だと告白したロランスとそのカノジョの激しく葛藤し離れくっつきあう10年を描いた作品がこれ「わたしはロランス」である。性同一性障害が認知されていない時代なので、最初カノジョは「ゲイ」と「性同一性障害」の違いが分からず葛藤する。ロランスも自分を解き放とうとするがやっぱり恥じらう。

 こんな悶々をまるでパリコレにいるかのようにアーティスティックに描くことで、葛藤の解放を演出しきったのがこの作品の快進撃である。ユーロミュージックの独特なシンセサイザーの旋律に併せてコンサバファッションのアレンジを披露する。宙を舞う衣装、時間はゆったりと流れていく。透明度を上げた蜷川実花映画と言えよう。文字や衣装の使い方にキレがあって、音楽でもって純度を上げる。2時間40分が短く感じる作品でした。しかし、その素晴らしさを言葉で伝えるのは非常に難しい。ニッチ属性の激しい恋愛ディケード(10年)を美しく描いていると書いてもピンとくる者は少ないであろう。だから、今回は下記URLで「私はロランス」の世界に触れてみることをオススメする。私の文章力に限界があったので、補足としてyoutubeよりシーンを抜粋した。

https://www.youtube.com/watch?v=jueAIKolhxk