「スター・トレック イントゥ・ダークネス」:TOHOシネマズ渋谷にて

孤高の男にまさかの賛同

「スター・トレック イントゥ・ダークネス」:評価60

監督:J.J.エイブラムス 出演:クリス・パイン、サイモン・ペッグ、ベネティクト・カンバーバッチetc

 

 今日は率直に言おう。敵に感情移入する映画がこれ、「イントゥ・ダークネス」である。マジョリティの意見にマイノリティの代表が孤立無援・四面楚歌の状態で民族解放訴え立ち向かう。相手の地球軍は汚い手、無茶苦茶な手を容赦なく使ってきて、結果良ければ総て良しな野蛮民族だ。彼らによって迫害された民族を超人的能力を持つ「彼」が単身で「奴ら」に直談判す...もう一度言おう、これが「イントゥ・ダークネス」である。

 孤立無援の男が踏ん張って英雄となり不朽の名作になる作品は「アラビアのロレンス」や「ダイハード」アンドソーオン、無数にある。しかしこれらは立場の問題であり、英雄になるはずが悪役となる場合がある。畢竟、「ゼロ・ダーク・サーティ」の状況をサイエンス・フィクションに移したのがこの作品である。

 「ゼロ・ダーク・サーティ」が感情論でもって、相手をオーバーキル、結果良ければすべて良しのラストティアー(最後の涙)で締めくくっていたのだが、この作品もアウトラインは一緒である。ならず者カーク率いる破天荒エンタープライズ号が極秘ミッションでテロリストの居る星を襲撃しに行く。そして、たまたま巻き込まれた関係ない民族を皆殺しにして、敵もなんだかんだ制圧。都市が9.11を遥かに超える崩壊がなされようと、敵さえ鎮圧できればすべて良し、そんな話である。これでは民族解放を訴え孤高の奮闘をしても、気狂いに殲滅されるだけの努力報われぬ映画である。

 こうして考えると、ビンラディンがかわいそうに思えてくる。文化侵略を受けた怒りを、アメリカにぶつけたが、某鬼将軍の影響で中東の多くでホロコーストが開催された。そしてオーバーキルの終焉として彼は生け贄となった。段々「ゼロ・ダーク・サーティ」やこの作品がシリア攻撃のためのプロパガンダのように思えてきた。また、最近ホワイトハウスが陥落される映画が最近大量生産されているが、それはこれらの危険民族殲滅主義に対して報復の警鐘がなされているのであろう。

 上記で記したように地球軍があまりに極道で虐殺された民族も泣き寝入りするしかないストーリーにマイノリティのはかなさを知った作品でした。