「25万で欧州を放浪した高校生(仮)」

十三日目 ムール貝モード

 ガリエーニ(Gallieni)駅、明日の決戦の場である。しっかり下見をせなならん。と思っていたら簡単に乗り場を見つけてしまいました。拍子抜けした僕はガリエーニの街をぶらつくことにした。死刑囚が歩く長い廊下のような道が右手に広がっていたので、好奇心から進んでみた。こんなところ、夜だったら絶対歩けないわ。怖すぎだわ。そんなストレンジャーな場所には変な人がいるのは常識で、案の定物乞いがいました。前を歩いていたベビーカーに赤ちゃんを乗せた夫婦に彼女はダルがらみ。勝手に階段上までベビーカーを運んで金をせびっている。お節介は、邪魔ではあるがそうでもしないと職に、食にありつけない人がいる。0セントの稼ぎかもしれないが働いてみないとわからないから働く。そして、利益0。その光景に切なさを感じた。ガリエーニが何もない街だったからかも、しれないがなんだか哀しくなった。ムール貝を食べよう。明日は戦争に行かねばならぬ。最後の晩餐を豪勢に開こうじゃないか。ムール貝専門店Leonはチェーン店らしいぞ。安心だ。英語メニューもあるってよ。なお安心。

 オペラ座から徒歩10分のところにあるLeon。口コミ通り素晴らしいところだった。ジェントルマンが案内。そして、ムール貝とポークのセットを頼むと、フリットやパンが付いてくる。そう、ムール貝の汁をパンにつけて食べるとおいしいという意味である。2000円ぐらいでこれだけのムール貝を食べられるなんてなんて幸せだろう。プリプリしたムール貝。そしてポークの程よい弾力。パンにはさんでみたり、汁と絡めてポークとムールを味わってみたり、様々な楽しみ方ができるのである。これ程楽しい食事は初めてだ。これはお世辞ではない。本物である。英語をなかなか使ってくれないフランスではあるが、故に店の英語使いは信用できる。しかも、ここの店の店員は日本語も少し話せたのである。リスペクトだ。これはフランス留学したら友達連れて行かねばなと感じた。

 これで、悔いはないぞ。明日の旅立ちに対する勇気がわいてきた。そして早めの帰宅&ホテルチェックアウト。クスクスのおじさんが気を利かせて割引してもらった。うれしいな。久しぶりのエムさん家で戦闘準備を整える僕でした。