「25万で欧州を放浪した高校生(仮)」

十七日目 ノワールの古城

 旅行ガイドブックでよく、ロワール古城巡りツアーが紹介されているが、骨の折れる旅だとはご存じだろうか。まあ、城というものは敵と戦うための自分の陣地だから、城と城との間に距離はあるほか、立地も悪いのは否めない。しかし、そんな僻地にあり一筋縄で攻略しがたいロワールの古城故に行ってみると興奮するのである。

 最初に訪れ、この旅最も興奮した城があのシノン城である。崖の上のポニ...ではなく城ですね。勇ましい。ジャンヌ・ダルクがフランス防衛のため、ここを治めるシャルル7世のもとを訪ね援軍要請。それによって進撃の英国による危機を回避した伝説が残っている城に僕はいるのである。本当に山を車で登って、ようやくたどり着いた果てからの景色は素晴らしかった。高いところから街を見渡すのが好きな僕は、シノンの長閑な町並みを独り占め。イギリス時代はずっとグレーな天井だったのに対し、ここは水色の天井。旅で感じたストレスを浄化させました。もちろん、城も楽しい。要塞だけあって、城の内部も手が込んでいる。階下へ繋がる階段も、長いこと長いこと。無事に地上に帰還できるのかと思うほど長いのだ。そして所々に、見張り穴、スナイパー穴があって気分はスパイ、ジェームズ・ボンド。サイコーにクールで、マッチョ的な城、シノン城でした。

 まさか、原発に行くとは思ってもなかった。ドライヴに出かけると必ずと言って良いほど爆睡するのだが、エヌさんと映画や海外ドラマの話に花が咲き、珍しく寝ることはなかった。後部座席に座るチビたちも「おねんね」、さっきまで激しかった抗争も休戦状態となっていた。ふと窓を見ると、見覚えのある形が。そう、リアル原発だ。円筒状の施設から煙がモクモク出ている。私が高校三年生の秋に、東北ヴォランティアに行ったときや石巻の自動車教習所合宿を行ったときですら行かなかった原発が目の前にある。地震大国日本に飼い慣らされている僕からしたら、このようなデンジャラスな施設を見ると身震いを起こすのでした。しかもリヨンの原発もそうだったが、比較的街の近く、リヨンなんか街中にそびえ立っているのだ。そんな危険施設を写真に収め、僕の乗るフォルクスワーゲンは早々にバイバイしました。

 ロワール川を見守る城がある。ドメーヌ・ド・ショーモン・シュール・ロワールである。ユネスコ世界遺産に登録されているロワール渓谷を見に訪れたなら、この城も見よう。丁度川側から見ると、正式な入り口と真反対の位置にあたるため、インパクトに欠けるので、是非とも入り口から入城しましょう。それをしなかった僕は残念ものでした。この城の特徴は、要塞を意識して建てられているものの、ルネッサンス時代のアーティスティックさも取り入れられているため、城全体がまとまっているイメージがある。レゴで作ったら、そのまとまっている感がよく分かるであろう。しかし、僕の技術では無理でした。最低でも、小さい城がゴチャゴチャ内在しているシノン城よりはまとまっていた。そして、ここは国際庭園フェスティバルの会場にもなるようだ。そういえば、私の大学に「庭園学」という授業がある。受講して、留学時代に挑んでみよっかな?

んっ6月~10月?難しいな。

 今日の締めで、ソミュール城を訪れる。ブドウ畑(?)から見えるソミュール城格好良かった。それにしても、このライターを困らせる手記が今日・明日と続く。「城」としか書かれていないため、ネットで何城か調べなくてはならないのだが、特に今日。何城かわかりにくい写真ばかりである。思いの外、目的地まで時間がかかってしまい、シノン城もじっくり見てしまったため、残りの城が「巻きでお願いします」状態になってしまったのだ。また、シノン城が面白すぎて、残りの城に対する興味が薄れてしまったため、写真が少ないのも書き手を悩ませた。このソミュール城、要塞や武器弾薬庫、別荘と様々なスタイルで使われた城だそうで、なんと言っても馬術コレクションが充実しているそうだ。また1919年にシャルル・レール伯が美術コレクションを市に寄贈したことから、現在では「美術館」として機能しているそうだ。城が敵の進撃を防衛するものから、芸術に触れる場として変容を遂げた。平和な時代がついにやってきて、お城さんも嬉しそうでした。どの古城もそうだが、やはり晴天、あるいは朝日や夕焼け時に見るとクールである。勇ましく、青と白のコントラストを魅せてくれる古城たちに圧巻。城内見学に飽きたら、外観だけでも見よう。きっと、クールな写真が撮れることであろう。