「25万で欧州を放浪した高校生(仮)」

二十二日目 第二次リアルアルゴ

 現在地:ハノーファー

 目的地:パリ

 今日の目標は電車でパリまで行くことだ。初めてのおつかい並に緊張の一瞬だ。

 乗り換えは手元の手記に掲載されていなかったため、不明だ。おそらくベルギーとドイツの境界線付近で乗り換えるのであろう。マイナーな名前だったためか本当に覚えていない。

 エヌさん一家と名残惜しい別れを交わした後、僕は赤い電車に乗る。思い返せばエヌさん一家に渡すはずだった羊羹を、プリングスとツナ缶を中心に体操の隊形に開いたかのようなわびしい食事に耐え切れず食べてしまったな。それにしても、こんなストレンジャーにかまってくれたのは英語教室に通っていたおかげだ。英語能力が本当に伸びたかと尋ねられたら疑問だが、これは人生の伏線だった。僕が大学生にになったら母校演説でこの話をしてやろうと様々な思いにふけていると、駅員が切符を見せるように言ってきた。第一関門突破。無事に渡せたぜ。

 さて、問題の乗り換え駅近く。僕は心配性なので2駅前から出口付近にスタンバっている。すると、通路から若者集団がやってきて同じくステイ。よく見るとチェ・ゲバラによく似た人がいた。怖いなと思いつつも、危険なフェロモン出るその男にクールさを見出す。僕もあんなイケメンになれたらなと、精神全くイケメンではない僕の心が語る。

 想像以上にあっさりと乗り換えをこなしてしまった僕の今日はさほど思い出がない。二回目の乗り換えに成功すると、寝てしまったからだ。もちろん、盗難防止のため厳重に荷物を抱えお昼寝である。気が付くと目の前をカップルが占拠しているのだが、めっちゃラブラブ、ホットスペースが形成されていた。こういったとき、僕は目を閉じる。目のやり場を失うからだ。目の前の経過は想像にお任せするとして、パリまで残り一時間をまだか、まだかと待つ。僕がこの旅で出会った女性について、どの国がナンバーワンであるかについて考える。今の私が選ぶとしたらデンマーク女性だが、当時の僕はイギリス女性がナンバーワンだと思っていた。フランス女性は問答無用ランク外。素敵な女性との出会いがなかったからであろう。冷酷非情な女ばかりだった。ドイツ人女性はスタイルこそ素敵だが、彼女たちから漂う威圧のムード。もちろん彼女たちは意識してはいないのだろうけれど、やはり怖かった。ベルギー?高速道路で通過しただけだから、出会いも何もない。マレーシア?クアラルンプール空港での出会いはありませんでした。そうこう考えると、なんといってもイギリス女性だ。あの温もりはサイコーでした。旅行者は一期一会の出会いに恋を抱く。それはある意味正解かもしれない。相手からしたら迷惑千万だけれどね。

 さて夜も更けた頃、電車は遅延こそしたけれど、無事懐かしのガードゥリオンに着きました。あのプラットホームに流れるアナウンスに何故か涙した。RPGゲームではラスボスを倒すと最初の街に、自宅に戻ってくるがその感動ってまさにこのことなんだな。久しぶりにエムさんとも再会したし。

 さて、残す旅も数日。やり残したこと、行き忘れたところに行こう。そうだ、土産も買わないとね。ようやく、僕の家族が海外旅行でよくするショッピングの章が幕をあけるのでした?

 あれ?リアルアルゴの割にしょぼくね?仰る通り。僕はグッドトラベラーに進化してしまったようだ。今日において波乱万丈さがなかったことは本当に申し訳ないなと思ってます。すみませんでした。