「スティーブ・ジョブズ」:TOHOシネマズシャンテにて

ジョブスにならってキレッキレの映像美

「スティーブ・ジョブズ」:評価75

監督:ジョシュア・マイケル・スターン 出演:アシュトン・カッチャー、ジョシュ・ギャッドetc

 

 毎回、クールな格好で登場しファッションの一部としてのコンピュータを送り出していたスティーブ・ジョブズ。彼の死後、分厚い伝記が出版されそして映画化に至ったわけだが、どう考えてもFacebook創始者マーク・ザッカーバーグより描くのが大変。そもそも映画標準の上映時間2時間台に収まるのかが問題である。奇人、独裁者として君臨し自らの完璧主義を押し通してアーティスティックなコンピュータを作ったり、退廃はびこるマッキントッシュ開発チームを再び活気づけたりするものの、ジョブズの奇行に耐え切れなくなった取締役の手によって自分の作った会社からまさかの追放を受ける。しかし、彼がいなくなった後に襲った大きな経営不振により、再びジョブズを取締役が連れ戻したという壮大な話。チェ・ゲバラの伝記映画が2部作になっているくらいなのだから、伝記本にならって2部作になるのかなと思いきや1部作だったので驚きだ。

そして、案の定詰め込み運営が目立った作品であった。

 前半ジョブズがアップル社を立ち上げ成功の花道を駆け上がるまでの過程は細かく描写、しかもクールな映像と音楽で演出されていて観る者の注目を集めうるジョブズ的妥協しない演出が施されていて興奮した。しかし、後半彼が追放の身に遭うあたりから物語は端折りの連続、雑さが目立った。それでもジョブズの熱い物語には変わりなく、興奮はしたものの、ピクサーの話ががっつり削られていたり、ジョブズの葛藤シーンが今一つ伝わらなかったことは残念だ。ここはやはり本同様、立ち上げるまでの章と会社崩壊から復活までの章を分けて演出すべきだと感じた。

 でも、この映画を観たら伝記は読みたくなる。本を買わせる戦術としてはありだったのかもしれない。「半沢直樹」の小説・ドラマを読んでいる、観ているかのような熱い男のドラマでした。カリスマ性のない僕はジョブズ政治はできないなw