「ジャッジ!」:渋谷シネパレスにて

作品評価の出来レースを風刺しまくる!

「ジャッジ!」:評価80

監督:永井聡 出演:妻夫木聡、豊川悦司、リリー・フランキー、北川景子etc

 

 もうすぐ、アカデミー賞が発表される。アカデミー賞予想と言えば、今年の審査員の空気を読むところから始まる。昨年で言ったら監督賞、日本ではスピルバーグかベン・アフレックかと言ったムードが流れ、僕もスピルバーグを推していたのだが、結果はアン・リー。LiLiCoがあるサイトで、低確率で受賞すると張っていたくらいで多くの映画人は衝撃を受けたであろう。実は、ベン・アフレックはアカデミー賞会員から嫌われていたそうだ。故に作品賞は獲らせても、監督賞は与えないぞという工作がされていたらしい。

 そう、「ジャッジ!」は審査活動が如何に本当の良作を見逃してしまっているかを浮き彫りにした風刺映画なのだ。

 

 サンタモニカ国際CM祭のある作品に魅せられ広告会社に就職した者の、あまりに冴えずダメ社員のレッテルを貼られた青年が、C級クオリティのちくわCMをサンタモニカ国際CM祭にてグランプリを獲らせないとクビになる状況へとはめられる。英語もコミュニケーション能力も最悪だが、憧れのCM祭のしかも審査員になれると意気揚揚と赴き、その事実と対面。しかも、周りの審査員は作品を審査しないで自分のCMが優勝するよう工作ばかりしている状況を突きつけられ意気消沈する。

 

 確かに、審査員の活動は僕もしたことがあるが楽しいし、やる前は憧れであった。ただ、実際には他人の意見に左右され雰囲気でグランプリが決まってしまう。審査員をすると、本当に良作が見えなくなる。自分がいいなと思った作品が貶されると「あれっ駄作かな」と思うし、自分の理解を超えた作品を周りの人が絶賛していたら段々その作品を高評価するようになってしまう。そんな状況下でこの作品は本当に面白い作品をアピールしまくっているのだから、映画人としてハッと目覚ましてくれるのだ。

 

 出来レース上グランプリ候補のアメリカの作品は本当に凡作。陳腐な作品。それに対してグランプリ候補に残ったある国のある作品は本当に斬新で面白い。こういう発想を閃きたいなと憧れるほどだ。そう当然のことっちゃ当然なのだが、とにかく冒頭のCMから芸が細かく丁寧だ。本当にCMの面白さを伝えてくれる。邦画特有のぐだる部分はあったものの、流石脚本がソフトバンクモバイルの「ホワイト家族」シリーズの澤本嘉光勢いがあって良かった。

 そして「無茶と書いてチャンスと読む」。どんなに英語が出来なくても、コミュ障でも無茶をチャンスに変えてがんばる人ってカッコいい。「アイデンティティがない、生まれないらららら~」な状態からアイデンティティを作り出す話に僕の心は鷲づかみにされました。

 

ちなみに下記は僕の一押しのCMである↓
https://www.youtube.com/watch?v=2rc8CmeKinc