「スノー・ピアサー」:角川シネマ有楽町にて

列車内だけで世界を作る

「スノー・ピアサー」:評価90

監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ、クリス・エヴァンスetc

 

 「オールド・ボーイ」さながらの極狭空間でのアクションが特徴の作品。しかし、タランティーノが大絶賛したこの映画は、ただただ車内で暴れる作品ではない。

 

 貧困層の人がのし上がって、富裕層になった時、ふと下を見て貧困層に対しもやもやを抱く様子を列車内での移動だけで表現した画期的な作品である。

 

 列車最後尾で凄惨な目に遭っている貧困層の人が楽園を目指し革命でもって先頭車両の楽園を目指す。号車が進むと、自分たちが食べているものが如何に酷い物かを突きつけられたり、富裕層の教育が偏った思想の押しつけだったりと壮絶である。

 

 そう、これは逆「ブッダ」な映画なのである。ブッダは富裕層の空間から、貧困層を見て衝撃を受ける。「スノー・ピアサー」は貧困層が富裕層の文化と出会い衝撃を受ける作品なのだ。そして、列車の狭いスペースに学校、床屋、廃棄物処理場、富裕層向けのスラム街世界にあるのあらゆる施設をぶち込み、言語も英語、日本語、韓国語(?)等交える。グローバルっぷりをみせつける。ノアの箱舟を今造るとしたらこんな代物になるようだw

 

 社会の縮図を描き、そしてラストに意外な形で縮図からの脱出を狙ったアクションだけでない社会派SFでした。公開終了までに観られて良かった。