「ゼウスの法廷」:シネマート六本木にて

マニュアル化された判例にゼウスは立ち向かう

「ゼウスの法廷」:評価65

監督:高橋玄 出演:小島聖、塩谷瞬etc

 

 99.9%が有罪になるらしい日本の裁判。凄そうな職業だが、過労レベルは高い裁判官の仕事。そんな裁判の世界にメスを入れたのがこの作品

 

 裁判官として過労気味な男はカノジョと結婚することもせず、ソクバッキーな奴。折角、色気を出して誘惑するカノジョは全然相手にしてくれない彼に性的欲求が満たされず、同窓会で出会ったあぶない男と関係を持ってしまう。そんな矢先にカノジョはうっかり、その同窓会の男を殺してしまう。さあ大変。周りから総スカンを食らった裁判官は、落とし前をつけるべくその事件の裁判官を務めることを決意。判例というマニュアルが使えない究極の判決をできるのかという壮絶ストーリーだ。

 

 展開が冗長なのと、無駄にコメディ描写を挿入しているのは玉にキズだが、難解な法律用語をわかりやすく描き事件が迫るに連れてグイグイと感情移入していく描写は素晴らしい。特に判決理由を述べるシーンは感動物である。そして実際に裁判官の人とインタビューを交わしたからこそ描けるラストのサプライズは、タイトルに込められた非常に重く難しいテーマを総括していると言えよう。