「ダラス・バイヤーズクラブ」:ヒューマントラスト有楽町にて

時をかけるクソジジイ

「ダラス・バイヤーズクラブ」:評価85

監督:ジャン=マルク・バレ 出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レトetc

 

 余命わずかものって、主人公が新しいことを始めたり、疎遠だった人に別れを伝えに行ったりするのが定石であるのだが...これは冒頭30分で運命の日を迎えてしまう映画なのだ。あの「死霊のはらわた2」を思わせる展開の早さ。

 

 そう、御察しの通りこの映画は余命30日でエイズ未承認薬を配布する会社を立ち上げる話ではなかったのだ。なんたって普通、余命30日って言われて華麗なリア充ライフを送るはずが、酒・ドラッグ・女のローテーションしかしないで30日を迎えるのである。

 

 そして偶然、未承認薬の密輸を通じて数ヶ月も生存した後に本気を出すのである。

凄腕ゲイディーラーと手を組み、モーテルを貸し切ってエイズ未承認薬を配布する会社を立ち上げる。法の隙間と、巧みな話術を駆使して規模を拡大していくところ、そして東京まで足を伸ばすフットワークの軽さ。少数民族が事業拡大でマジョリティを見返していく様子は「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に匹敵するほど熱くなった。

 

 クレイジーだけどやり手。こういう人好きである。そして、その鬼才を演じたマシューとジャレッドは確かにアカデミー賞を受賞したのも納得。凄まじかった。それにしても、今回のアカデミー賞の俳優部門は「アメリカン・ハッスル」と「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、そしてこの作品から多数ノミネートされたがよくよく考えるとクレイジーな役ばかりノミネートされていることになる。まさに狂気合戦だったな。

 

 最後に、東京のシーンで80年代にない建物が映ってるぞ。おじさんはフットワークを活かして時までも越えてしまったようだ。恐るべしw