「東京難民」:スバル座にて

大学生には怖すぎる奈落

「東京難民」:評価80

監督:佐々部清 出演:中村蒼、大塚千弘etc

 

 就職氷河期、ネットカフェ難民など僕の世代は悲惨なニュースを聞かされながら年を重ねているが、果たして自分がその地獄に入ると思っている人はどれだけいるだろうか?

 

 大学に行けば、毎日授業をサボり、飲み会に明け暮れのほほんと生きる人がどれだけ多いことか。そんな大学生もこの作品を観ると恐怖に怯えるだろう。チェーンソー男やゾンビよりも怖い「住所不定」という化け物を今回紹介します。

 

 主人公は授業をサボり、飲み会に明け暮れ女を漁っている大学生。そんな彼が、親の学費未納を期に突如大学から除籍されてしまう。しかも、住んでいたアパートからも追い出される。月末までまだまだ先だから、食いつなぐために当日払いのバイトを探し粘る。しかし女に騙され、ホストにされ、そこからさらに奈落へと落とされていく話だ

 

 ただただ、地に墜ちてく大学生を描くのではなく「借りていたアパートは実は鍵の権利を借りていただけで、部屋の権利はなかった」「大学除籍は中退にならない」「ネットカフェで寝止まるよりもファストフード店で夜を明かす方が安上がり」といったあまりにリアルな描写が多くサバイバル映画としてのクオリティが高い。大人社会のディープなところを惜しみなく教えてくれるなんて平和ボケしている僕にはありがたい代物だ。
 

 ラストこそ狙いすぎ感があったものの、「人生終わった」人間にならないように頑張ろうと言う気にさせてくれる作品でした。